コラム

COLUMNボトックス注射の薬剤による違いはある?アラガン社のボトックスと韓国製のニューロノクスなどの違いについて解説

ボトックス治療のご質問としてよくいただくものが、アラガン社製のボトックスと、韓国製などのボツリヌストキシン薬剤では何か違いがあるのかといったものです。
両方とも基本的な薬剤の性質としては同じものですが、治療価格が場合によっては倍程度異なる事もあり、効果や持続性、安全性といった点でどのような違いが生じるのかが気になるという方が多いのではないでしょうか。
今回は韓国製のボトックス注射であるコアテックスやニューロノクスなどについて、実際にどの程度の違いがあるのかなど詳しく解説します。

ボトックス注射とは?

ボトックス注射は、A型ボツリヌスと呼ばれる成分を使用した薬剤を注射する事で筋肉の過剰な収縮などを抑制する治療で、表情によって出来るしわや筋肉の痙攣などを改善する治療方法です。

A型ボツリヌスは神経伝達物質を遮断するといった作用を持つため、筋肉の過剰な収縮を抑制してしわや痙攣の原因となる過剰な筋肉の収縮を和らげたり、手のひらなどの汗腺の過剰な働きを抑制して多汗症の治療を行ったりといった治療が可能です。

注射だけの手軽な治療ながら効果的で、半年から1年程度の持続性があり、多くの国で長年使用されてきた症例から高い安全性が確認されており、リスクも非常に低い人気の治療となっています。

「ボトックス」はアラガン社の薬剤名称

ちなみに「ボトックス」とは、医療用ボツリヌス療法の薬剤におけるブランド名の一つで、アメリカのアラガン社が販売している商品の名前であり、A型ボツリヌスの成分を使用した薬剤はボトックス以外にも数多くあるのですが、ボトックス(ボトックスビスタ)が厚生労働省から唯一認可を受けている点や、シェアが圧倒的に大きい事などから同様の治療を総称して「ボトックス注射」と呼ぶ事が多くなっています。

ボトックスという言葉はアラガン社が商標を取得しているため、韓国製の薬剤などを使用する場合は厳密にはボトックス注射という事はできません。

ボトックス注射の効果とリスク

ボトックス注射は、筋肉に直接行われるため、対象となる筋肉にのみ効果が現れます。治療時間は、患者さんの症状や希望に応じて10分~30分程度で、効果は数日で現れ、通常は約3~6ヵ月効果が持続してから、1年程度までの間に徐々に元の状態へと戻っていきます。

副作用は全体的にまれであり、適切な手技と適切な用量であれば安全性は高い治療であるといえますが、注射部位の腫れや痛み、表情の不自然さなどが生じることがあります。

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ボトックス以外のボツリヌストキシン薬剤の種類

ボツリヌストキシンを使用した薬剤としてはボトックスが有名ですが、他にもいくつかのボツリヌストキシン薬剤が存在します。

代表的なものは下記のようなものがあります。

1.ディスポート (Dysport)

ディスポートは、イギリスのイプセン社が製造しているA型ボツリヌストキシン薬剤で、眉間のシワの改善を目的としてFDAの認証も受けています。

イギリスで製造されているため、ヨーロッパなどでは広く使用されているもので、基本的にはボトックスと同じ効果および副作用リスクとなりますが、ボトックスよりも持続性が長いという報告もあるようです。

2.ナボタまたはジュヴォー (Jeuveau)

ナボタは、2019年に米国で認可された新しいボツリヌストキシン薬剤で、しわや表情筋の痙攣を改善するために使用されます。

製造は韓国で、米国で販売する際の名称がジュヴォーとなっています。

3.ゼオミン (Xeomin)

FDAに2011年に認可を受けているドイツ製の薬剤です。
ゼオミンもA型ボツリヌストキシンを主成分とし、しわや筋肉の痙攣の治療に用いられます。ボトックスやディスポートと比べ、ゼオミンはタンパク質が含まれておらず、アレルギー反応が起こりにくいとされています。

4.ニューロノクス(Neuronox)

ニューロノクスは韓国製のボツリヌストキシン製剤で、メディトックス社が販売しています。

韓国の厚生労働省にあたるMFDSの認証を取得しており、日本国内でも多く利用されている製剤です。

5.コアトックス(Coretox)

コアトックスも韓国のメディトックス社が販売しているボツリヌストキシン製剤で、ニューロノックスと比較してタンパク質などが少なく、より純粋なボツリヌストキシン製剤である事が特徴です。

これにより抗体が作られにくく、治療を繰り返す事による効果の減弱を抑える事ができるとされています。

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ボトックスビスタと他の薬剤はどう違うのか

以上のように様々な国やメーカーからボツリヌストキシン製剤が販売されており、世界中で使用されているのですが、気になるのは実際に効果や安全性などにはどの程度違いがあるかという点ですよね。
結論から言えば、ボトックスビスタや他の薬剤は効果の程度や持続期間といった面で大きな違いはなく、どの薬剤を選んでも基本的には同様の効果を得る事ができます。

一部の製剤では「抗体」の作られにくさなどで差があるとされています

ゼオミンやコアトックスといった製剤は、製剤の中に含まれるたんぱく質などの物質が少ない高純度の薬剤である事が特徴で、これにより「抗体」が出来にくいといったメリットを持ちます。
抗体とは薬剤の作用を打ち消そうとする体の持つ免疫反応で、抗体ができてしまうとボツリヌストキシン注射を行っても効果が得られないか、効果が弱くなったり、持続期間が短くなったりしてしまうといった状況になります。
抗体ができるかどうかは人それぞれの体質などにも影響されますが、一般的に短い期間で繰り返し注射を行った場合や、一度に大量の注入を行った場合などで抗体ができやすくなります。
抗体はタンパク質などに反応して作られやすいため、純度が高い製剤であれば抗体が作られにくく、治療をくりかえしても効果が減少するといった事が少なく済むといったメリットがあります。

ボトックスビスタのみが厚生労働省の認可を受けている

その他の大きな差としては、ボツリヌストキシン製剤が複数ある中で、ボトックスビスタだけは日本の厚生労働省の承認を得ているという点です。
日本の厚生労働省は薬剤の安全性などを厳しく審査する事などでも有名で、その承認が得られているという点から、特に日本人にとっては高い安全性が確保されている事がはっきりしているといえます。
ただし、だからといって他の製剤では安全性が確立していないという話ではなく、その他の製剤もアメリカの厚生労働省にあたるFDAや、韓国のMFDSの認可を受けており十分な効果や安全性が担保されているため、十分に安全な薬剤だという事ができます。

症例数の違い

もう一つの違いとしては症例数の多さで、治療として使われてきた実績の長さからボトックスビスタでの症例数は他の薬剤と比べても豊富であり、適切な注入の仕方などがより確立しているという事ができます。
治療の効果は症例の積み重ねによって改善が行われていくため、その意味で実績の多いボトックスビスタは効果的な治療を行いやすいという利点があるといえます。

料金の違い

多くのクリニックで、使用する薬剤によって治療価格にも差がある状態となっており、ボトックスビスタによる治療が高く、後発品のニューロノックスなどは比較的安価となっています。
これは薬剤の仕入れ価格に大きく差があるためで、厚生労働省のお墨付きを得ているボトックスビスタは安全性や品質が高い事が保証されている分、どうしても高くなってしまうといえます。

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ボトックスビスタと他の薬剤のどちらを選ぶべきか

ボトックスビスタと他の薬剤を取り扱っていると、「どちらを選んだ方がいいか?」というご質問をいただく事が多いのですが、基本的にはお好みで問題ありません。
前述の通り、実際に得られる効果としては大きな差があるものではありませんので、より安全性が高く安心なものを選びたい方はボトックスビスタを選択いただければ良いですし、なるべく価格をおさえて治療を受けたいという方は他の安価な薬剤を選択されても良いでしょう。
医師の取り扱い経験などによっても推奨する薬剤が異なる場合はありますので、医師とよく相談してどの薬剤を使用するかを決めましょう。

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ボトックス注射の効果は「薬剤の品質管理」が重要

薬剤自体はどれを使用しても大きな差が無いと紹介しましたが、薬剤の管理方法などによっては大きな差が生じる事があるため注意が必要です。
ボツリヌストキシン製剤は熱に弱いなど取り扱いを行う上で注意するべきポイントがいくつか存在し、薬剤の仕入れ、保管、使用といった各段階で適切な取り扱いを行う事が、治療効果を十分に発揮するための重要なポイントとなっています。
特にボトックスビスタ以外の薬剤については各クリニックが独自のルートで仕入れを行っているようなケースも多く、場合によってはこうした流通の中で適切な管理がされておらず、注射の効果が失われてしまうという可能性もあります。
城本クリニックでは、どの薬剤もメーカーの正式な販売ルートで仕入れを行っており、推奨される取り扱い方法を遵守しておりますので、安心して高い効果での治療を受けていただく事ができます。

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韓国製のボツリヌストキシン薬剤なども上手に使い分けましょう

ボトックス注射は3か月から半年に1度程度の治療を繰り返す事で効果が持続し、より満足度の高い治療結果を得やすい治療法です。
繰り返し治療を受けるという意味ではなるべく低価格な後発の製剤も上手に活用して、負担なく治療を受けるなど、ご自身にあった利用方法を選択すると良いでしょう。
治療の際は継続する事も踏まえて医師とよく相談し、最適な選択をしてくださいね。

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本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

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