サーマクールの基礎知識

CONSULTATION サーマクールの歴史

サーマクールが登場するまで

サーマクールができるまでは“たるみとり”といえば“フェイスリフト”と呼ばれる手術しかありませんでした。

ただやはり手術となると腫れや内出血、傷跡など回復までの期間が長く、すべての方に受け入れていただける治療法ではありませんでした。そこで長く待ち望まれた若見え治療法としてサーマクールが登場しました。2003年からサーマクールを使用し、実績を積み重ねてきました。サーマクールは皮膚そのものを収縮させ、コラーゲンを産生させる治療のため、毛穴を小さくし、肌質を改善します。肌質改善効果は手術ではみられない効果です。

サーマクールのメカニズム

RFにより主に皮下2.5~3.0mm付近までを熱しますが、熱影響は約5mmに及びます。RF照射中およびその前後に-26℃Cryogenガスによる冷却により表皮を保護し、皮膚の表面を傷つけることなく真皮深層から皮下組織をあたためます。

サーマクールは、大きくは2つの反応が起こることにより、引き締め効果や輪郭改善効果が得られるとされています。

1.コラーゲン線維の収縮による即時的な引き締め効果と輪郭改善効果

真皮層内の5~35%のコラーゲン線維が、RFエネルギーの熱により収縮することで、即時的な引き締め効果があります。
また、皮下の脂肪層にある線維隔壁が、RFエネルギーの熱により収縮することで、即時的な輪郭改善効果があります。

2.創傷治癒過程で起こる長期的なコラーゲンのリモデリング

収縮したコラーゲン線維が修復される過程で、新しいコラーゲンが生成され、収縮したコラーゲンと置き換わります。この創傷治癒は、約6ヶ月間続きます。

サーマクールのこれまで

初期には現在の方法よりずっと高レベルのエネルギーの1回照射(シングルパス)であったため、痛みも強いものでした。このためエムラやエラマックス等の局所麻酔クリームを塗布したり、さらにそれを超音波導入したりという麻酔が行われていましたが、それでもかなりの痛みを伴う治療で、処置後に強い腫れをおこすこともまれではありませんでした。その後アンカリングポイントとよばれるより効果を上げる部位への照射が意識されるようになり、さらなる研究により、ややエネルギーを落として多数の照射をすることにより、痛みなどの副作用を減らし、引き上げる方向なども立体的に考慮した方法となって(マルチプルパス・ベクトル法)、より効果を高めることに成功しました。

この間照射の速さもスタンダードチップでは1発照射するのに約6秒かかっていたものがファストチップと呼ばれる1発約2秒で照射可能なものとなり、照射先端部(チップ)の大きさも1cm2 → 1.5cm2 → 3.0 cm2とどんどん大きくなり、照射数も大幅に多いものが使われるようになって、以前の何倍もの照射数となっています。3.0 cm2チップ使用により、現在は効率的かつ効果的で、痛みもさらに抑えた治療ができるようになりました。

サーマクールのチップまたこれまでは上まぶたや下まぶたへの照射ができなかったのですが、0.25cm2シャローチップの開発やコンタクトシールドを行うことによりこれも可能となりました。さらにはボディのしわ・たるみとりとしての応用が始まっています。

左上から「上まぶた用0.25cm2シャローチップ」、「初期から使用されている1.0cm2スタンダードチップ」、「早く照射できるようになった1.0cm2ファストチップ」、「大きくなった1.5cm2ビッグファストチップ」、「さらに大きくなった3.0cm2ファストチップ」

CONSULTATION サーマクールの禁忌

  • 心臓ペースメーカーを入れておられる方
  • 心臓疾患を有する方
  • 施術部位に金属等のプレートを埋め込まれている方(歯のインプラント、かぶせ等は問題ありません)
  • 糖尿病や創傷治癒に体質的障害のある方
  • 治療部位に感染性の皮膚疾患がある方
  • 治療部位に傷跡や化膿がある方(ニキビは除く)
  • 悪性腫瘍またはその疑いのある方
  • 出血性疾患、ケロイド体質の方
  • 妊娠中の方
  • 発熱している方

※シリコンやその他のインプラント(ロシアンリフト、金の糸等)についてはRF電流の流れや創傷治癒にどのような影響を及ぼすかわからないため、推奨されてはおりませんが、ご相談下さい。

CONSULTATION 他の手術との比較

  サーマクール フェイスリフト手術 糸などによるリフト
傷跡 残らない 残る 針穴跡程度が残ることあり
処置の際の痛み 熱い感じ 痛いので麻酔必要 痛いので麻酔必要
処置後の痛み 痛くない 麻酔が切れると鈍い痛みあり 麻酔が切れると鈍い痛みあり
麻酔 不要 注射で麻酔 注射で麻酔
処置後の腫れ ほとんどなし おもな腫れ1~2週間 おもな腫れ数日~1週間
内出血 なし 広範囲1~2週間 狭い範囲1週間
洗顔 直後から可能 しっかりできない しっかりできない
お化粧 直後から可能 しっかりできない しっかりできない
社会生活 普段通り可能 しばらく人に会えない 制限される
肌質改善効果 あり なし 少ない
異物 入れない 細かい糸は残る 大きな糸を使用
他の施術への影響 なし 長期的にはなし できなくなることも多い

他のしわ・たるみ美容機器との比較

他のしわ・たるみ美容医療器は、強い光であったり、レーザーであったり、双極型の高周波であったり、これらの組み合わせからなるものですが、サーマクールは単極型の高周波のため、より深いところにまで届いて作用します。

また、サーマクール以外の施術は基本的に複数回の施術(期間をおいて何回も行う)が必要であるのに対し、サーマクールは原則として1回の施術です。このことからもサーマクールの効果の強さがうかがい知れます。

サーマクール登場後もさまざまな美容医療器が登場していますが、しわ・たるみ治療器としてまだサーマクールを超えるものはなく、そのゆるぎない地位を誇っています。

SIDE EFFECT 主なリスク、副作用など

機械による治療(ダイオードレーザー、アレキサンドライトレーザー、サーマクール、ePlus、フォトフェイシャル、フォトRF(オーロラ)、Eライト、E-max、ウルセラ、ウルトラフォーマ3、ダブロS+、レーザートーニング、レーザーピール、ポラリス、ダーマローラー、ダーマヒール等)を行う場合、一時的な赤み、照射箇所のほてりがありますが、治療後すぐにお冷やしをしますので、お帰りの際にはほとんどの方が落ち着かれています。

治療後は一時的に、お肌が敏感になり、乾燥しやすい状態になったり、日焼けをしやすい状態になるので、十分な保湿と日焼け対策をして頂くようにお願いします。

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