痩身エステは本当に痩せる？　痩身治療と何が違うの？ | 脂肪吸引なら城本クリニック。

COLUMN痩身エステは本当に痩せる？　痩身治療と何が違うの？

理想の体型に近づくために運動やトレーニング、食事のコントロールなど様々な方法がありますが、方法の一つとして挙げられるものが痩身エステの利用ではないでしょうか。
「なるべく楽に痩せたい」、「リラックスしながら痩せたい」、「ただ痩せるのではなく体型を理想的に仕上げたい」といったようなケースで特に興味を持たれやすい痩身エステですが、実際に痩せる効果が得られるのか、またエステではなく医療機関で行われる痩身治療とはどのような違いがあるのかなどについて詳しく解説いたします。

「痩身」と「ダイエット」は違う物？

痩身エステや痩身治療の「痩身」とは「痩せた身体」を意味する言葉で、現在は痩せた身体を目指すための行動も一般的に痩身と捉えられています。

痩せるというと、どちらかといえば「ダイエット」という言葉の方がよく使われていますが、ダイエットは元々英語の「diet」からきている言葉で、その意味は「普段から食べるもの」や「食事療法」という意味。
つまり、ダイエットはそもそもは食事で健康になるための方法であって、痩せるというのはその結果の一つとなっています。
現在は一般的にダイエット＝痩せるための行為と認識されているため、食事ではなく痩せるために運動をとりいれる事などもダイエットと呼ばれています。

また、痩せるという意味合いの言葉としては「減量」というものもありますが、こちらは体型を変化させるというよりも体重を減らす事を刺す言葉として使われます。
特にボクシングなど体重によって試合階級が変わるようなスポーツでは、試合を行う条件を達成するために体重を減らす必要が出てくるため、減量目的の行為が良く行われます。

痩身エステや痩身治療が目指すのは体重の減少ではない

痩身とダイエット、そして減量という言葉の違いについて解説しましたが、痩身エステや痩身治療は「痩身」という言葉がついているように、とにかく「痩せた身体になる」事を目的としたものです。
痩身治療をご検討されている方から、よく「体重は何キロくらい痩せますか？」という内容の質問をいただく事がありますが、多くの医師が「治療で体型は細くなりますが、体重はそこまで変わらないかもしれません」と回答するかと考えられます。
なぜなら、体型が細くなる事と体重を減らす事は同じようでいて大きな違いがあるためです。

痩身エステや痩身治療は「細い体を目指すもの」

痩身エステや痩身治療は、基本的に体重の大幅な減少を目指したものではありません。
目的はあくまでも痩せた細い体を作り上げるというもので、基本的には体型を太くしている「脂肪」を減らす事や、エステの場合はむくみを取り除くなどによってスリムな体型を目指すものとなります。

体重を大幅に減らさなくても体型が変わるのかと疑問に感じるかもしれませんが、例えば脂肪は1㎏で大体1.1～1.3リットルの体積、つまり牛乳パック1本より少し多いくらいの大きさですので、お腹などの特に細くしたい部位がそれくらい細くなると考えればその変化の大きさが分かりやすいかと思います。

体重変化を目標にするとリバウンドもしやすい

ダイエットをしようと考えた時にはある程度の目標体重を設定するかと思いますが、その際に「頑張って1㎏痩せよう」というような目標とする方はあまりいないのではないでしょうか。
殆どの方が、マイナス5㎏などある程度大きな変化を目標とするでしょうし、むしろ現在の体重の２０～３０％ほどを最終的に減らしたいというケースが多いかと思います。
そして、実際にテレビや雑誌などでダイエット法が紹介される際には、こうした大きな体重変化が一番のトピックとして紹介されやすいものとなっています。

しかし、このような大幅な体重変化を実際に実現しようとすると、実は脂肪を減少させるだけでは達成が困難で、現実的には脂肪と同時に筋肉なども減少していく事となります。
具体的な例として、身長155㎝くらいの平均的な身長の女性で、体重が60㎏(BMI25)ほどの方が体重45㎏(BMI19)程度を目指したいとした場合を考えてみましょう。
この場合、体重60㎏はBMIでいえば普通体型と肥満の丁度境目くらいですので、体脂肪率は30％程度、つまり体脂肪は18㎏程度だと想定されます。
脂肪だけで目標とする15㎏の減量させたとすれば、残る脂肪は3kg。つまり、体脂肪率で言えば6.6％ほどとなりますが、これは女性としては危険レベルの状態であり、現実的には少なくとも10～15％(約6㎏)程度は脂肪は残ります。
つまり、3㎏分は脂肪以外の何かが減っているのですが、この分として考えやすいのが筋肉量の減少です。
上記の例でもかなり理想的な痩せ方が出来た場合の内容ですので、現実的にはもっと脂肪の減少量が少なく、筋肉の減少が多いという形になりやすいでしょう。

このように、体重を大幅に減らすためのダイエットを行った場合には脂肪以外に筋肉なども減少させる結果となってしまうのですが、筋肉が減ると身体全体の基礎代謝が低下するため、痩せた後により太りやすい体質に変化してしまったり、リバウンドしてしまう要因ともなります。

痩身エステとは

痩身エステのサービスを提供しているエステサロンは多く、その方法は様々ですが、大きくわけて2つのパターンがあります。

マッサージなどによる代謝の改善

多くのエステサロンが実施している痩身エステが、マッサージなどによって身体の代謝を向上させていき、痩せやすい身体を作るというものです。
手技によるケアだけではなく、マッサージ用のマシンを使用して施術が行われる場合もあります。

マッサージによる痩身エステの効果

マッサージによる痩身エステで実際に痩せる事ができるかどうかについていえば、結論から言えばこれだけで脂肪が大幅に減少するという結果を期待する事は難しいでしょう。
マッサージで血流の改善が行えたとしてもその効果は一時的なものに限られますし、それだけで大幅に痩せる事はありません。

たまに「脂肪を揉み解して燃焼させる」というような表現や、「セルライトを潰して破壊する」というような表現、場合によっては「柔らかくした脂肪を胸に移動させる」といったような表現がありますが、脂肪は揉んだだけで破壊されるようなものではありませんし、マッサージで移動させる事もできません。

一時的なスリミング効果は期待できる

一方で、マッサージによって血流やリンパの流れを促すと、施術部位のむくみが解消されるため一時的なスリミング効果は期待しやすいといえます。
例えば誰か人と会う前になるべくむくみのないスッキリとした状態にしたいという時や、リラックスしてむくみや疲れを取りたいという目的であればしっかりと効果を実感できるのではないでしょうか。

痩せるための意識作りとしての効果

もう一つ、マッサージなどによる痩身エステの効果としては、定期的に施術を受ける事で「痩せる」という意識作りが行えるという点が挙げられます。
実際に、痩身エステではマッサージだけではなく食事のコントロールなどが推奨されるケースが多いかと思いますが、せっかくエステに通っているのだから、食生活や生活習慣もしっかりと見直そうという意識の変化によって、実際に痩せていくという結果につなげる事もできます。
痩身エステはそれだけで細くなる事は難しいですが、こうした痩せるための見直しが出来るという点は一つの効果といえるのではないでしょうか。

マシンを使用した「疑似痩身治療」

エステサロンの中には、クリニックで行っている痩身治療に似たような施術のマシンを用意している所もあります。
よくあるのが脂肪冷却のような施術が行われる機器や、EMSや高密度焦点式電磁という技術を用いた筋肉を強制的に収縮させるタイプの施術を行うマシンの導入です。

こうしたマシンの多くは、確かに原理としては痩身治療で扱っているものと同じ内容なのですが、注意しなくてはならないのが「そもそもエステで身体に直接変化を与えるような施術は出来ない」という点です。

例えば脂肪冷却は脂肪細胞を凍結して破壊するという方法で行われますが、細胞を破壊するという行為は「医業」にあたるため、医療機関でしか行う事が許可されていません。
そのため、理論的には同じような内容であったとしても、エステサロンで実際に細胞を破壊するような施術を行う事はできず、施術が行われる場合には「身体にとってリスクがない範囲の内容」に限定されます。
つまり、こうした痩身治療に近いような内容については、実際に痩身効果が発揮される事があってはいけないという事になりますので、求めるような結果を得るのはまず困難でしょう。

場合によっては法律違反ともいえる施術を行って効果が得られる事も考えられますが、医療的な正しい知識を持たずにこうした施術を行うと健康被害のリスクが大きく、実際にハイフなどではエステサロンの施術で大きな火傷などの被害が相次ぐなどのトラブルも発生しています。

痩身治療とは

痩身治療は医療機関で行われる、痩身を目的とした治療全般を指します。
エステサロンと異なり、直接脂肪細胞を破壊するような治療が可能であるため、高い痩身効果を実現できます。
一方で、エステのようなマッサージケアなどは通常行われませんので、リラックス目的ではなくとにかく細くなりたいという効果重視の方におすすめです。

治療法は様々ですが、具体的には下記のような内容が人気となっています。

脂肪吸引

医療痩身の中でも、特に効果が確実で一回の治療で確実に細くなれる方法が脂肪吸引です。
脂肪吸引はカニューレという器具を皮下に挿入し、掃除機のように脂肪細胞を直接吸い出して体外に除去していく治療です。

脂肪細胞は20歳を超えてからは殆ど増えたり減ったりしないため、細胞そのものを除去してしまう脂肪吸引をうければ、その部位に脂肪はつきにくくなります。
治療を行う部位だけを細くする事が出来るため、胸などはそのままのボリュームにして、お腹や二の腕、太ももなど脂肪を減らしたい場所だけ細くする事が可能であり、部分痩せを実現できる点が大きなメリットです。
場合によっては吸引した脂肪を再度バストに注入する「脂肪注入豊胸」などもあり、理想の体型作りとしては最も有効であるといえます。

デメリットとしては、治療後はしばらくの間施術部位を圧迫しておかなくてはならず、またカニューレを挿入した部位の傷跡や内出血が生じるため、最低でも1ヶ月程度はダウンタイムがあるという点です。
また、キレイな仕上がりを求めるのであれば治療を担当する医師の技術力が重要であり、医師選びを慎重に行う必要があります。

脂肪溶解注射・BNLS

脂肪細胞を溶かして破壊する薬剤の注射によって、狙った部位の脂肪を減少させる治療です。
破壊された脂肪細胞は異物として免疫細胞に取り込まれ、１～２カ月程度で体外に排出されていきます。

脂肪吸引のように一気に脂肪を減らす事はできませんが、治療後のダウンタイムが無い点や、少しずつ自然にサイズダウンしていくため周囲にバレにくいというメリットがあります。
細かい部位の脂肪も減らしていく事ができるため、適応によっては鼻や目元などの細かい部分の脂肪を減らしたい場合などにも用いられます。

ボツリヌストキシン注射

神経の働きを阻害するボツリヌストキシン製剤を注射する治療で、表情筋の働きを抑える事によるシワの改善や汗腺の働きを抑える事での多汗症治療などにも用いられるものです。

痩身目的では、ふくらはぎに注射を行う事で筋肉の盛り上がりによって太くみえてしまうふくらはぎを細くしたり、エラの筋肉（咬筋）の働きを抑えて小顔を目指すといった治療として利用されます。

狙った部位を確実に細くしたいなら痩身治療がおすすめ

痩身治療は、いずれも狙った部位だけを確実に細くする「部分痩せ」の効果が得られるものであり、逆に言えば部分痩せを行うためには痩身治療以外の方法はありません。
通常のダイエットでは、細くした部位を鍛えてある程度引き締まった状態にする事はできるものの、脂肪を減らすという点では全身でバランスよく減らしていく事しか出来ないため、脂肪は減らしたいけれどバストはそのまま保ちたいというような事が出来ないのです。

痩身治療であれば、お腹の脂肪だけ、太ももの脂肪だけといった狙った部位の脂肪細胞を直接減らす事ができますし、細胞の数そのものを減らすためリバウンドするリスクも殆どありません。
一度の治療にある程度のコストが必要とはなりますが、ジムや痩身エステに長期間通う事を考えれば結果的に少ない費用で済む事もありますし、「なるべく早く理想の体型を手に入れたい」「気になる部分を細くしたい」という方は是非痩身治療をご検討ください。

城本クリニックでは各種痩身治療を取り扱っており、目的や体質などに合せて最適な方法を医師がしっかりと診断を行った上でご提案しておりますので、治療に興味を持っていただいた方は是非一度お気軽にご相談いただければ幸いです。

本コラムの監修医師