コラム

COLUMN豊胸を受けていても乳がん検診は受ける事は可能? 乳癌のリスクが上がる可能性は?

乳がんは女性が経験する可能性の高い癌の一つであり、米国のデータでは女性の8人に1人が生涯の内に罹患するとも言われています。
乳がんを早期に発見し、適切な治療を受けられるようにするためには定期的な乳がん検診が非常に大切ですが、乳がん検診はバスト内部を診察する方法のため、豊胸手術を受けていると検診を受けられないのではと考える方も多いかと思います。
また、そもそも異物を挿入する事によって乳がんのリスクが上がる事を懸念される方もいるでしょう。
今回は豊胸手術によって乳がん検診が受けられなくなるケースや、乳がんのリスクが上がる可能性があるのかについて解説いたします。

乳がん検診について

乳がん検診は日本では特に40歳以上の女性に推奨されている診断で、特に自覚症状などがない場合でも40歳以降は2年に1回の検査が推奨されています。
乳がんは女性がかかる癌の中でも最も人数が多く、2019年の統計では97,812例の報告があるなど、年々その数も増加しています。
なお、乳がんというと女性がかかるものと考えられがちですが、男性でもリスクはあり上記の97,812例でいえば、その内670例は男性となっています。

乳がんでの死亡者数は2020年の報告では男性129人、女性14,650人の合計14,779人となっており、癌による死亡者数としては女性では大腸がん、肺がん、すい臓がんに続く4番目となっています。
発症者数に対して死者数が低めとなっているのはやはり乳がん検診などによって早期発見が行える事が重要で、定期的な検診によって転移などをおこす前に癌を見つける事ができれば完治もしやすくなります。

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20代や30代でも検診は受けた方が良い

乳がん検診は40歳以降で推奨されていると紹介しましたが、これは30代までは行わなくてよいという意味ではなく、特に40歳以降の発症率が高くなる事から、国によって検査が推奨されており、公費などによる検診も可能になるというものです。
20代や30代、更には10代でも乳がんに罹患するリスクはあり、35歳以前に発症した場合を若年性乳がんといいますが、乳がん患者数の3%程度はこれに該当しています。

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乳がん検診の種類

乳がん検診には「マンモグラフィー」「エコー検査」「MRI検査」といった方法があります。

マンモグラフィー

乳がん検診の方法として最もイメージされやすいのがマンモグラフィー検査ではないでしょうか。
マンモグラフィーは、乳房を板で挟んで引き延ばした状態にしてからX線写真(レントゲン)を撮る検査方法で、乳房を圧迫して薄くする事で撮影に使用するX線の量を減らし、安定した状態で撮影する事で検査を行いやすくします。
片方のバストずつ、数十秒ずつ程度で撮影し、石灰化病変の確認が行われます。
人によってはバストが強く挟まれる事で痛みを感じるケースもあります。

エコー検査

超音波を照射し、その反響を使ってバスト内部の検査を行う方法です。
マンモグラフィー検査のように乳房を挟みこむような事は行わず、痛いと感じるような検査でない事やX線照射による被ばくのリスクがないため安心して受けやすい検査です。
一方で、小さな石灰化病変などはマンモグラフィーよりも見つけにくい事が多く、可能であればどちらも併用して検査を行うなどした方が良いとされています。

MRI検査

磁力を使って体内の状態を検査する方法で、専用の機器を取り付ける事で乳房の検査を行う事ができます。
圧迫やX線の照射も無く、造影剤なども不要なので体への負担が軽く、詳細な検査を行いやすいという点がメリットです。
デメリットは導入している医療機関の数と費用で、設備が高額であるため、MRI検査を行う設備がある医療機関に限りがある事や、検査費用が比較的高額となりやすいため検査を受けにくい面があります。

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豊胸していても乳がん検診は受けられるのか?

豊胸手術を受けている場合、手術の内容や検診の種類によっては受ける事ができないケースもあります。
それぞれの術式別に解説します。

インプラントバッグによる豊胸の場合

バスト内部にシリコンなどで出来た半球状の柔らかいインプラントバッグを挿入する豊胸術は、バストを理想とする大きさや形に近づけやすく、細身の方でも受けやすいため人気の豊胸術です。
以前はバッグの硬さなどから不自然な仕上がりとなってしまうケースがあったり、バッグが外部からの衝撃などによって破けてしまうなどのリスクもありましたが、現在はバッグの質も大幅に改善されており、こうしたデメリットも最小化されています。

インプラントバッグによる豊胸を受けている場合、圧迫する事でバッグの破損などが生じるリスクなどからマンモグラフィー検査を受ける事は基本的にできません。
実際にはバッグの品質向上などでリスクは小さくなっていたり、検査技師によっては対応可能なケースもあるかと思いますが、多くの場合で対応不可となるでしょう。

ただし、エコー検査やMRI検査は問題なく受ける事ができますので、検診の際にはバッグ豊胸を行っている事を伝えて対応可能な方法での診察を受けるようにすると良いでしょう。

ヒアルロン酸注入による豊胸の場合

ヒアルロン酸を使用したジェルをバスト内に注入してボリュームアップさせる豊胸術で、麻酔をしてから注射をするだけという手軽な術式であり、術後のダウンタイムも軽微である事からプチ豊胸として人気の術式です。
一方でヒアルロン酸は体内で徐々に分解されていくため、注入から半年後、1年後と徐々に分量が減少していき、最終的に2~3年程度で元の状態に戻っていくという点がデメリットとなっています。

また、一度の治療において注入量が多すぎたり、効果を持続させるために注入を繰り返しているとヒアルロン酸が異物として認識されて周囲に被膜が形成され、しこりを生じてしまうといったリスクもあります。

ヒアルロン酸注入による豊胸の場合、術後数週間程度で注入した薬剤が安定すれば、圧迫などによって形が変わってしまうというような事も殆どないためマンモグラフィー検査を受ける事も可能です。
ただし、豊胸で使用されるヒアルロン酸は比較的粒子が大きくて硬めのものとなるため、検査が行いにくく対応不可となる可能性はあります。
また、ヒアルロン酸注入によってしこりが出来てしまっている場合は検査が行いにくくなる可能性もあります。

自治体やクリニックによってはやはりエコー検査やMRI検査などでの検診となる場合がありますので、検診を受ける際にはいつごろ豊胸術を受けたかなどを報告して、適切な診断を受けられるようにしましょう。

脂肪注入による豊胸の場合

お腹や太ももの脂肪吸引を行い、とった脂肪細胞をバスト内部に注入して行う豊胸術です。
自分の細胞を移植するため、安全性が高く自然な仕上がりになる点が大きなメリットで、脂肪吸引によって不要な脂肪も減らせるため理想の体型を実現しやすい事から人気の豊胸術となっています。

注入した脂肪細胞の一部は体内に再吸収されて無くなってしまいますが、毛細血管と接続する事で定着すればバスト内部に残り続ける状態となるため、永続的な効果が期待できます。
定着する細胞は注入した分量の50~80%程度で、脂肪の採取方法や精製方法、注入方法などによって定着率が変わります。

脂肪注入による豊胸の場合、内部の構造は豊胸を行っていない場合と同じですので、基本的にはマンモグラフィーを含めどの検査も受ける事が可能です。
ただし、術後数か月は注入した細胞が安定していない状態となりますので、検査を行う時期については担当の医師と相談するようにしましょう。

また、脂肪注入で多くの脂肪細胞が定着していると場合によっては乳腺組織の状態が見えにくくなってしまい、正確な診断がしにくい可能性があるため、その場合は別途詳細な検査が必要になるといったケースもあります。

なお、自治体やクリニックによっては対応可能な検査方法が限定される事がありますので、豊胸を行っている事は正確に伝えるようにしましょう。

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高密度乳腺(デンスブレスト)の場合は検査しにくくなる事もある

以上のように豊胸術をうけていても乳がん検診は問題なく受ける事ができますが、注意点としては乳腺の状態などによっては正確な検査が行いにくくなる可能性があるという点です。

X線照射などの検査では、石灰化病変などがある箇所が白く映る事で診断が行えるようになるのですが、乳腺も白くうつるため、乳腺の密度が濃いデンスブレストの場合は検査が行いにくくなります。
特に、デンスブレストの方がヒアルロン酸注入などの豊胸術を受けた場合は、乳腺が更に前方に押し出されて密度が濃くなってしまうため、正確な検査が行いにくくなってしまう可能性があるといえます。
日本人女性はデンスブレストの割合も比較的多いため、豊胸術を受ける際にはこうしたリスクが無いかなども医師とよく相談して検討すると良いでしょう。

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豊胸術で乳がんリスクが上がる事はない

各種豊胸術を受けた際、乳がんのリスクが上がる可能性があるかどうかについては、基本的にその心配はありません。
乳がんは主に乳管や乳腺小葉といった組織の病変であり、女性ホルモンのバランス変化などによって生じるものです。
豊胸術ではどの手法でも乳腺組織に対して影響を与えることはありませんし、豊胸を受ける事で女性ホルモンのバランスが変化するという事もありませんので、乳がんのリスクがあがるまたは下がるといったような事はありません。

ただし、豊胸手術の内容によっては術後一定期間は検査を受けられなくなる事や、検査方法などに制限が出来るため、乳がんが正しく診察できない事で病変の早期発見が困難になるといった可能性はゼロではなく、乳がんの進行という点では多少のリスクがあるともいえます。
豊胸術を受ける際には術前の検査などもしっかりと行い、こうしたリスクを回避できるような状態で適切な治療を受けるようにしましょう。

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副作用やリスクが少ない豊胸術なら城本クリニックにご相談ください

城本クリニックでは、豊胸術を含め様々な治療に精通した医師が揃っており、どの治療もしっかりとした術前の診察とカウンセリングを行ってから、患者様一人ひとりの状態に最適な治療プランをご提案しております。
正確な診断と高い技術力によって副作用リスクを最小限に抑えた治療を提供しておりますので、安全な豊胸術を希望される方は是非一度お気軽にご相談ください。

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本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

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