コラム

COLUMNアクアフィリング豊胸の危険性やトラブルとは?除去は行えるのかなど詳しく解説します

ヒアルロン酸注入と同じように、ゼリー状の注入物を注射器でバスト内に注入するだけで手軽に行える豊胸術として行われるアクアフィリング豊胸ですが、この方法には問題が指摘されているのをご存じでしょうか。
アクアフィリングによる豊胸にどのような危険性があるのかや、具体的にどういったトラブルが生じているのかなどについて詳しく解説いたします。

アクアフィリング豊胸とは

アクアフィリング豊胸は、アクアフィリングというゼリー状の注入剤(フィラー剤)をバスト内に注射する事で、バストのボリュームアップや形を整える事ができるものです。
注射だけで行える豊胸術という点ではヒアルロン酸注入と同じで、注入するものが異なっているものとなっています。

アクアフィリングとヒアルロン酸の違い

アクアフィリングとヒアルロン酸はどちらもゼリー状の注入剤として使用されますが、それぞれ下記のような特徴があります。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は元々体内でも合成や分解が行われている成分で、水分を多く抱え込んでゼリー状になる事から肌の保湿機能や関節のクッションや潤滑剤などの役割を持っているものです。
ヒアルロン酸は粒子の大きさによってゼリー状にした際の硬さなどを調整する事が可能で、元々体内に存在している事から安全性も高いためプチ整形として様々な部位への注入剤として使用されています。

豊胸目的の場合はしっかりと乳房を持ち上げる効果を得られるようにするためと、持続期間を長くするために粒子が大きく硬めな性質のヒアルロン酸が用いられる事が多く、豊胸前のバストサイズが小さい方の場合はバストに触った時にヒアルロン酸の感触を感じやすいため、硬さなどの違和感を感じてしまう事があります。

また、ヒアルロン酸は体内に注入されると徐々に分解されていき一定期間でなくなるため、豊胸の場合は2~3年程度で完全に無くなって元の状態に戻る形となります。

ヒアルロン酸注入による豊胸術は術後1週間程度軽く胸が張るような痛みや腫れがある程度のため、シリコンバッグや脂肪注入と比較すればダウンタイムが短く手軽に行えるという事が利点である一方、効果の持続が短い点や触った感触に違和感が生じやすい点などがデメリットとなっています。

アクアフィリング

アクアフィリングは98%の水分と2%のポリアミドという成分で作られている注入剤です。
ヒアルロン酸注入と同じようにバスト内へ注射によって注入するだけで豊胸術を行う事が可能であり、水分の割合が多く柔らかい感触である事や、ヒアルロン酸よりも持続期間が長く3~5年は持続するという点からヒアルロン酸注入の上位版という形で提供が行われてきました。

しかし、アクアフィリングについては現在は多くのクリニックが取り扱いを中止しており、そもそもアメリカではアクアフィリングによる豊胸術は禁止され、日本でも形成外科学会や美容外科学会が共同で声明を出すなど、推奨されない治療となっています。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

アクアフィリングは「吸収されない」から危険

アクアフィリング豊胸の問題として特に大きな点が、アクアフィリングは体内で完全に吸収されずに残り続けてしまう可能性があるという点です。
ヒアルロン酸注入の場合、元々体内にはヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼという酵素などもあるため最終的には注入剤が分解されて無くなりますが、アクアフィリングは体の中で分解を行う仕組みがありません。
とはいえ分解されないなら完全に残り続けるというわけではなく、大半は物理的な刺激などによって細分化され、さらに異物としてマクロファージなどの免疫細胞などによって分解されて行く事により、最終的には組織に取り込まれたり体外に排出されるといった形となるため時間が立てば少しずつ注入したものが減少はしていくのですが、一度に注入された分量が多いケースなどでは全てが排出されきらずに体内に残り続けてしまう可能性が考えられるのです。

また、ヒアルロン酸の場合は分解を行う方法があるため、もしトラブルが生じたり仕上がりが納得できないなどで除去をしたい場合にはヒアルロン酸を分解する薬剤を注射すれば注入物を溶かす事が出来るのですが、一方でアクアフィリングは直接分解を行う方法が無く、生理食塩水によって洗い流すような形での対応が推奨されていました。
しかし実際には生理食塩水を注入しただけでは除去しきる事が困難で、除去を行う際には切開を行って排出させた後で生理食塩水で洗浄を行う必要があり、その方法でも術後一定期間が経過した後は対応が難しくなるなど、除去を行う事も簡単ではないといったリスクが明らかになっています。

このように、アクアフィリングはヒアルロン酸と異なって「吸収されずに異物として残り続けてしまう」というリスクが大きい治療法です。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

アクアフィリングがしこりになる

ヒアルロン酸注入でも多量の注入を行った場合にはしこりなどが生じるケースがありますが、アクアフィリングの場合は異物が体内に残り続けるため、しこりとなる可能性がとても高くなります。
ただしこりとなるだけであれば触った時の感触などで問題になる程度ですが、しこりが原因となって炎症を起こしてしまう可能性もあり、場合によっては炎症が進行して乳腺組織を損傷させ、授乳機能への影響を与える事もあります。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

アクアフィリングは別の部位に移動してしまう可能性がある

アクアフィリングは注入後に分解されず細胞の中を移動していってしまう事が報告されています。
移動する先としては例えば大胸筋などの中であったり、お腹の中や股間などまで移動していたという症例も報告されています。
ただ移動するだけであれば問題としては少ないですが、しこりになったり炎症をおこしたりというトラブルに繋がる可能性が考えられます。
また、移動によって分散してしまうと当たり前ではありますが除去を行う事が更に困難になってしまいます。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

アクアフィリング豊胸に「発がん性」があるというのは本当?

アクアフィリング豊胸のリスクとしてよく上がるものが「発がん性」の問題ですが、これは「アクリルアミド」という成分が細胞の中の遺伝子を傷つける事によって癌の要因となる事が指摘されている点などに由来しています。

実は、アクアフィリングが日本に入ってくるよりに中国で「AQUAMID®」というシワなどを改善させるための注入剤で数多くの合併症が発生するといった流れがあり、中国では2006年にその使用が禁止されているのですが、この「AQUAMID®」の原料がポリアクリルアミドという成分でした。
その後アクアフィリングが日本に入ってきたのですが、名称が似ており、更にいえば期待される効果など製剤の特徴も基本的に同じであるという事などから、アクアフィリングの材料が「ポリアクリルアミド」であり、発がん性のある「アクリルアミド」と近いためリスクがあるのでは? と考えられているケースも多いようです。

実際にはアクアフィリングは「(コ)ポリアミド」という材質であるため発がん性のあるとされる材質とは異なる事や、そもそもアクリルアミドの発がん性についてもまだ明確な判断は出来ない状態ですので、この点に関しては過剰な心配は不要と考えられます。

とはいえ、前述のように体内に除去が難しい「異物」として残り続けるアクアフィリングは長期的には様々な健康リスクが考えられますので、注意が必要という点では変わりません。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

アクアフィリングを除去する事は可能かどうか

これまでにご紹介した通り、アクアフィリングは注入からまだ時間があまり経過していない頃であれば、切開による排出と生理食塩水による洗浄などで除去が可能です。
しかし、注入から時間が経過している場合は場所が移動してしまっている可能性などもあるため、エコー検査などでチェックを行いながら、残っているものを一つ一つ取り除いていく必要があります。

尚、アクアフィリングの注入が脂肪注入などと同じように細かく分散された形で注入されてしまっている場合はそもそも除去が難しくなるなど、どのように注入が行われたのかによっても除去の難易度や方法が変わるため、まずは除去治療を行っているクリニックに相談してみましょう。

炎症など何かトラブルが発生してから除去を検討するという方もいらっしゃるかと思いますが、場所が移動していく事で除去が困難になる可能性もあるものですので、除去を検討されている方は早めに医師への相談をおすすめします。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

ヒアルロン酸による豊胸もアメリカでは禁止されている?

アクアフィリングはアメリカやEUなどで禁止され、日本でも治療を行わないように声明が出されていますが、実はヒアルロン酸による豊胸術もアメリカやEUでは禁止されているという現状があり、これを理由に「ヒアルロン酸注入も良くない」と紹介しているケースがあります。

実際にヒアルロン酸注入による豊胸術はアメリカなどで禁止されていますが、そもそもアメリカの医療と日本の医療では「行ってよい医療」の考え方が異なっているため、単純に危険だから禁止されているというわけではありません。

どういう事かというと、日本では基本的に「明確に禁止」されている行為以外は医師の判断で行う事ができますが、アメリカでは「明確に許可」された治療行為しか行う事ができません。
そのため、ヒアルロン酸による豊胸はアメリカで禁止がされているのではなく、許可が出ていないといういい方が正しいのですが、EUの一部やアメリカでヒアルロン酸注入による豊胸が行われていないのは、乳がん検診や授乳時に幼児への影響が懸念されるためとなっており、アクアフィリングのように明確な問題が指摘されているものではないといえます。

日本ではヒアルロン酸注入による豊胸も広く行われており沢山の症例がありますが、アクアフィリングのような危険は出てきておらず、症例経験が豊富な信頼できる医師の治療であれば安心してうけやすい治療であるといえるでしょう。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

良い治療を受けるためには「信頼できる医師探し」が大切です

美容治療においては新しい治療法が続々と開発されており、その度に魅力的な「最新治療」として広告が行われていますが、新しい治療が常に良い治療とは限りません。
だからこそ、専門的な視点から治療の良し悪しをしっかり判断し、本当に悩みを解消するために適切な方法を提案してくれる信頼できる医師を探す事がとても大切であり、売上のために「良く分かっていない」治療を提供するようなクリニックは避けた方が良いといえます。

城本クリニックでは治療前のカウンセリングを医療資格の無いカウンセラーが行うような事はなく、医師がしっかりと診断を行い、治療のご案内を行っております。
治療でのリスクが不明確な内容や、目的に合わない不必要な治療をすすめる事はありませんし、疑問に感じた内容にも美容医療の専門家としての視点でしっかりお答えしておりますので、自分自身にどんな治療があっているのかを知りたいという方や、新しい治療の良し悪しを知りたいというような方は是非一度お気軽にご相談ください。

LINE@友だち追加

本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

ご予約・お問い合わせお気軽にご連絡下さい 0120-107-929 無料 24H OK メール相談 無料 カウンセリング予約
全国の城本クリニック 35年以上の歴史と実績

全国の城本クリニック

クリニック案内へ

診療時間 10:00~19:00 完全予約制

35年以上の歴史と実績、そして信頼を誇る美容外科