コラム

COLUMN裏ハムラ法で目のくまやたるみを改善! メリット・デメリットなど基礎知識を徹底解説

目のくまやたるみが気になる人の解決手段のひとつに、裏ハムラ法があります。裏ハムラ法とは、目の表面からアプローチするハムラ法に対して用いられる名称で、下まぶたの裏側からアプローチする術式のことです。この記事では美容整形で人気の裏ハムラ法について、メリットやデメリットなど、基礎知識を徹底解説します。

裏ハムラ法は眼窩脂肪(がんかしぼう)を移動させる術式

裏ハムラ法は経結膜的眼窩脂肪移動術と呼ばれている術式であり、その名のとおり結膜側から眼窩脂肪を移動させて目のくまやたるみを改善させる方法です。

眼窩脂肪とは

眼窩とは、眼球があるくぼんでいる場所を指す言葉で、裏ハムラ法でいう眼窩脂肪とは眼窩にある脂肪のことです。眼窩脂肪がまぶたの一部で盛り上がることにより、見た目のバランスが崩れ、目のくまやたるみとなって現われます。したがって、目のくまやたるみを改善するためには、この眼窩脂肪を処置しなければなりません。裏ハムラ法はそのための選択肢のひとつです。
眼窩脂肪が盛り上がるのは、加齢によって目の周りの筋肉(眼輪筋)が衰えることにより、抑えがなくなった眼窩脂肪が出っ張ってしまうというメカニズムによります。

表ハムラ法との違い

表ハムラ法は裏ハムラ法と混同しないために「表」をつけた表現で、単にハムラ法とも呼ばれています。表ハムラ法が目の下の表側から皮膚や眼輪筋を切開して、眼窩脂肪の処理や皮膚の切除を行うのに対し、裏ハムラ法では下まぶたの裏側を一部切開して眼窩脂肪を処理する点が大きな違いです。
表ハムラ法との違いとしては、裏ハムラ法は切開部位がまぶたの裏側になるため表面から見た時に傷跡が残る心配が無い事などがあげられます。一方で、表ハムラ法であれば皮膚のたるみも同時に治療が可能になるメリットが得られますが、傷跡が見える位置に残ってしまう可能性や、皮膚を切除しすぎた場合に「下眼瞼外販」といって下まぶたがめくれたような状態になってしまう可能性があるなどの違いがあります。

裏ハムラ法の手術時間と手術の流れ

裏ハムラ法の手術時間はケースバイケースですが、目安として短ければ表ハムラ法の2/3程度で可能です。これは、切開部位の縫合などにかける時間などが短い事などが関係します。
表ハムラ法の標準的な時間が90分のクリニックであれば、60分程度、120分のクリニックなら80分程度としている事が多いでしょう。
ただし、これはあくまでも目安であり、すべてのクリニックが表ハムラ法の2/3程度の時間で裏ハムラ法を行っているわけではありませんし、そもそも手術にかかる時間は医師の考え方や技術などによっても変わりますので、一様に同じ時間で終わるわけではありませんし、どちらがより良いというものでもありません。
例として挙げれば、手術時間が長いのは医師が不慣れなケースもありますが、縫合を丁寧に行う事が理由であるケースもありますので、どちらが良いというものでもないでしょう。
また、そもそも目元のたるみの程度など症状や状況次第で手術にかかる時間はかわってきますが、麻酔なども含めて概ね120分程度みておけば時間が足りないということはあまりないでしょう。

裏ハムラ法の手術の主な流れは以下のとおりです。

  • 下まぶたの裏側を切開する
  • 余分な眼窩脂肪を凹んでいる部位に移動させて平らにならす
  • 必要に応じてその他の処置を行う
裏ハムラ法のダウンタイム

裏ハムラ法のダウンタイムは一般的に1週間程度とされており、1~2週間またはそれ以上といわれる表ハムラ法よりも短い時間で元に戻ります。
これは切開を行う範囲が表範囲よりも少ない事などが要因です。

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裏ハムラ法のメリット

ダウンタイムが短いこと以外の、裏ハムラ法の主なメリットは以下のとおりです。

皮膚表面を切開しないため傷が見えない

なんといっても顔の表面である目の下の皮膚を切開しない点が大きなメリットです。下まぶたの裏側、結膜を切開するため傷が見えません。したがって、見た目の問題だけでなく、美容整形の手術を受けたことを悟られにくいというもうひとつの大きなメリットがあります。

将来の眼窩脂肪減少に備えられる

裏ハムラ法では眼窩脂肪を移動させて有効に活用します。そのため、将来的に眼窩脂肪が減少したとしても、不足する事態を避けられる可能性が高くなる点がメリットのひとつです。眼窩脂肪を切除してしまえば、少しの減少で不足してしまう恐れがあります。

下眼瞼外反のリスクが低い

下眼瞼外反は表ハムラ法でアプローチする際の大きなリスクとされていますが、これは皮膚の切除によってまぶたが下方に引っ張られる事が原因ですので、裏ハムラ法の手術内容では下眼瞼外反が起こりにくいといえます。
下眼瞼外反とは、下まぶたがめくれたような状態で、いわゆるアッカンベーを想像するとわかりやすいでしょう。

再発する可能性が低い

裏ハムラ法で眼窩脂肪を移動させた場合、目のくまやたるみが再発する可能性は低いとされています。
とはいえ更なる加齢によって新たなタルミなどが引き起こされる可能性はあります。

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裏ハムラ法のデメリット

裏ハムラ法にはメリットだけでなくデメリットもあります。

医師に高い技術力が求められる

裏ハムラ法は下まぶたの裏側の結膜が手術の場となるため、術野が狭く経験が少ない医師にとって容易な手術ではありません。
不慣れな医師の執刀で裏ハムラ法を行った場合、思ったような効果が得られない可能性もあります。
そのため、十分な効果が得られる手術のためには経験豊富な医師を探す必要があります。

眼窩脂肪の移動によるリスク

下眼瞼外反のリスクが低い点も含めて、裏ハムラ法は安全性が高いとされる術式です。ただし、単に余分な眼窩脂肪を除去するのではなく、眼窩脂肪を引っ張り出して移動させるという、ある意味大掛かりな手術です。その点だけに関していえば、合併症などのリスクが若干高めであるといえます。

余分な皮膚がある症例には弱い

裏ハムラ法は結膜を切開する術式で、伸びた皮膚が余ってしまっており、切除が必要となる症例には対応できません。また、目の下にしわがある場合にも弱いといえます。
皮膚のたるみによる目元のクマやたるみを解消するのであれば、表ハムラ法を受けた方がよいでしょう。

広義の意味で失敗する可能性がある

裏ハムラ法に限った話ではありませんが、手術をする以上は失敗の可能性があります。ただし、裏ハムラ法における失敗とは何を指すかが問題です。目のくまやたるみが改善されていない場合はハッキリと失敗だといえるでしょう。また、改善してはいるものの、仕上がりが希望する形状ではない場合も広い意味では失敗に入ります。
失敗の原因として考えられるのは、医師の技術力不足や眼窩脂肪の不足、希望がちゃんと伝わっていなかったために起こる仕上がりへの不満などです。

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裏ハムラ法がおすすめの人とは

メリットやデメリットを踏まえたうえで、裏ハムラ法がおすすめの人の特徴を解説します。

余分な皮膚が少ない人

裏ハムラ法は皮膚の表面にはメスを入れず、下まぶたの裏側にある結膜を切開するため、表に余分な皮膚がないか、あっても少ない人に向いている術式です。年齢でいえば、30代以下か40代でも前半までの人であれば、目の下のたるみの原因の多くが眼窩脂肪によるものと考えられることから、切除が必要な余分な皮膚はなく、裏ハムラ法がおすすめといえるでしょう。

顔の見える位置に傷をつけたくない人

表ハムラ法でも目の下の切開した傷が残ることは稀ですが、顔の見える位置に傷がつくリスクを排除したい人には裏ハムラ法がおすすめです。

涙袋を大事にしたい人

表ハムラ法では下まぶたのまつげの生え際から下の皮膚を切除するために涙袋を失ってしまう可能性が高くなりますが、裏ハムラ法ならそのまま維持できます。さらに、眼窩脂肪をうまく利用することで、よりハッキリとした涙袋にすることもできるため、涙袋にこだわりのある人、大事にしたい人におすすめです。

ダウンタイムを少しでも短くしたい人

一般的なケースでは、裏ハムラ法は表ハムラ法よりも短いダウンタイムで治療を行えます。手術後も人に会う仕事や用事が多く、少しでもダウンタイムを短くしたい人におすすめできるのが裏ハムラ法です。

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裏ハムラ法の選択は自分自身の状況を考慮して決める

皮膚の切除が必要なケースに有効となる表ハムラ法に対し、裏ハムラ法は年齢層が低めの人に多いとされる、眼窩脂肪の処置で改善が見込めるケースに適した術式です。見える場所に傷を作らない反面、余分な皮膚に対処できない点など、裏ハムラ法の特徴が自分自身の状況にマッチしているかどうかを考慮して選択するかしないかを決めるとよいでしょう。

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本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

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