コラム

COLUMN二重手術の値段はどのくらいが相場? 安い治療、高い治療は何が違う?

美容整形が一般的なものになってきている昨今、整形の金額も価格競争が激しくなり、二重手術の値段もクリニックによって大きく差が出てくるような状況になっています。
二重整形の中でも特に埋没法では1万円を切るような価格での広告を見かけるなど、格安で治療を行っている所などもありますが、こういった格安治療にリスクなどが無いかと気にされている方も多いのではないでしょうか。
今回は、二重整形それぞれについての値段相場について、解説いたします。

二重整形術の値段がクリニックによって大きく異なるのは自費診療だから

まず、そもそもなぜ二重整形術の値段がクリニックによって大きく異なっているのかについてですが、これはほとんどの場合で自費診療にて行われているためです。
日本の医療においては「保険診療」と「自費診療」というものがあり、風邪などで病院で診察を受ける際の、保険証を提示して3割負担などで支払うものは保険診療。それ以外のものが自費診療という事になります。

保険診療の場合、国が定めた診療点数というものがあり、症状や治療の内容によって細かくかかる費用が決められていますので、同じ治療であれば基本的にどのクリニックにいっても金額が同じとなります。(初診料などはクリニックの規模などによって変わります)
一方で、自費診療は健康保険が利用できない代わりに、診療の金額はクリニックが自由に決める事が可能なため、自費診療である二重整形の金額はクリニックによって大きく異なるのです。

二重整形も保険診療で行える場合がある

実は、二重整形も保険診療で受ける事が可能なケースがあります。
それは、眼瞼下垂といって、まぶたが垂れ下がってくる事で視界が十分に得られないような状態でのケースで、視界が不十分な状況というのは健康的な生活に支障をきたすという事から、保険診療での手術が可能となっています。
眼瞼下垂は先天的にまぶたを開ける筋力が弱いまたは無い方で起こるものと、加齢によって筋力が弱まったりして起こるものがありますが、どちらのケースでも日常生活に問題がある状態であれば保険診療での治療が可能です。

保険診療で治療が行われる場合は「挙筋前転法」という手法で行われる事となりますが、その金額は片目で約22,000円、両目で約44,000円となります。
ちなみにこの金額は3割負担での金額ですので、実際にかかっている費用としては片目で約7万、両目で約14万円という事になります。

尚、先天的にまぶたを開ける筋力が無い場合などについては「筋膜移植法」による処置も必要となるため、この場合は保険診療で6万円が追加されます。保険適用でなければ20万円分の治療で、挙筋前転法と併せて35万円近く(保険適用による自己負担分で約14万)の費用がかかる事となります。

保険診療での眼瞼下垂治療はあくまでも視力の「機能」を回復させるもの

ただし、眼瞼下垂の症状がある場合には保険適用での治療が可能とはなりますが、この場合の治療は主に視力という機能を回復させるためのものであって、見た目をよくするためのものではありません。
そのため、仕上がりとしては見た目のよい二重まぶたを作れるというわけではなく、あくまでもまぶたがしっかりと開いて視界が確保できればいいという事になりますので、場合によってはそもそも二重にはならない事もあります。
また、手術の傷跡などについても審美性を追及するものではありませんので、美容整形で行われるほど傷が残らないような治療がされるとは限りません。
もちろん、多くの医師はなるべく良い結果となるように尽力しているのですが、理想的な二重まぶたを実現するためには保険診療として定められた内容以外の事を行う必要が出てくるため、出来る範囲には限界があるのです。

目元というのは顔の印象の中でも特に重要な要素を担っていますので、術後の見た目にもしっかりとこだわり、理想的な目元を実現したいという場合にはやはり美容整形での二重術を受ける必要があるといえます。

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それぞれの二重整形術の相場感

それでは、具体的に二重整形術の値段はどの程度が相場なのか、大きな術式の枠組み毎にご紹介します。
尚、理想的な治療の内容や金額の考え方についてはクリニックや医師によっても大きく異なる部分はありますので、こちらはあくまでも城本クリニックとして考える相場として参考にしていただければ幸いです。

埋没法の相場

二重整形術の中でも最も侵襲性が低い事で、手軽に受けられると人気の埋没法。
クリニックによっては1万円以下でのプランなどを提示されている所もみられますが、そうした格安施術のケースでは、ほとんどの場合で点留めかつ少ない点数での施術が行われているようです。

埋没法には昔から行われている「点留め」というものと「線留め」という2つの糸の留め方がありますが、糸にかかる負担の小ささ(=はずれにくさ)やデザイン性の良さから、現在では適切な技術力がある医師であれば、基本的に線留めによる手術を推奨しており、事実として低価格プランを提供しているクリニックであっても、より長持ちしてデザイン性の良い方法として線留めで行う上位のプランを推奨されています。

こうした事から、多くの方が本当に満足できる仕上がりとなる埋没法の価格として他院で提供されているプランも含めて考えると、埋没法の相場としては、15万円前後であると考えられます。

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低価格プランからの吊り上げに要注意

近年、美容整形の価格競争が激しくなるにつれて低価格プランを打ち出すクリニックも増加していますが、こうしたクリニックの中には低価格のプランで集客を行い、カウンセリングで強引に高いプランの契約を進めるといったケースも出てきています。 もちろん、価格が高いとはいっても適切な治療内容でそれに伴って金額が高くなるだけであれば良いのですが、中には「手術で使用する糸を特別性にする」事で値段が上がるなど、費用を吊り上げるためにほとんど意味の無いものを盛り込んでくるような場合もあるようです。

例え治療金額が高くなったとしても、その内容に心から納得して受けられるのであれば全く問題はないのですが、少しでもおかしいと感じた場合には、無理に契約しないで他のクリニックでもカウンセリングを受けてみて、複数医院のカウンセリングから最も納得できる治療を選ぶなどがおすすめです。

切開法の相場

切開法での手術は、埋没法と比べるとダウンタイムが長いなどのデメリットもありますが、まぶたが厚い方などでも理想の二重を手に入れられる事や、基本的に永続的な二重まぶたを手に入れられるため、埋没法が取れてしまう事を心配する方などに人気です。

ただし、手術における行程が「糸で結ぶだけ」の埋没法とくらべ、「切開」して「脂肪などの内部を処理」の後に「縫合する」という形で多くかかるため、手術にかかる時間も長くなり、相場の金額もそれに合わせて高くなります。

また、埋没法よりも更に解剖学としての知識や技術力が必要となる手術ですので、医師の熟練度も埋没法より必要となります。

美容整形における費用のほとんどは医師と看護師による手術にかかる費用ですので、手術にかかるおおよその時間が伸びれば、その分費用が上がる事になります。
切開法による手術は、埋没法による手術の大体2倍程度時間がかかる事が多いので、埋没法の費用相場が15万円程度と考えると、切開法の費用相場は30万円程度が適正といえるでしょう。

眼瞼下垂治療の相場

保険診療では大体14万円程度(自己負担分で44,000円程度)となる眼瞼下垂手術ですが、美容整形で治療を行う場合、多くの場合で保険診療で行う「挙筋前転法」と同時に、切開法による二重整形と同様の治療が行われる事となります。
挙筋前転法については保険診療での内容が相場として考えると、自費診療での二重整形で行われる眼瞼下垂治療は、14万円+30万円(切開法の相場金額)で、45万円程度がベースになるといえるでしょう。
ただし、実際には挙筋前転法の内容についても保険診療で行われるものより更に審美性を意識した術式となりますので、もう少し高い金額で行うというクリニックが多いと考えられます。

目頭切開

目頭にある蒙古ヒダを切開する事で、目頭の開き方を改善して目の形を修正する目頭切開術ですが、手術の際には皮膚切開から必要に応じて筋肉の操作、そして縫合という手順が必要となり、手術にかかる時間は切開法による二重整形術と近いものになります。
このことから、相場の価格は約30万円程度といえるでしょう。

同様に、目尻切開や眉下切開なども同じような行程と手術時間になりますので、相場金額は同じ程度になるといえます。

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金額の安い、高いだけではなく大切なのは信頼できる医師である事

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二重整形は自費診療ですので、クリニックによっても推奨する術式も異なり、費用も安い所から高い所まで様々です。
もちろん、なるべく安い価格で手術を受けられた方が良いという考えはあると思いますが、美容整形は手軽だといっても身体に対して手術を行うものですので、価格の低さだけで選ぶのは推奨できません。
とはいえ一方で、高ければ必ず良い治療が受けられるというものでもありませんので、やはりカウンセリングなどで十分に話をして、信頼できる医師を見つけるという事が大切です。

安いけれど満足が出来ない施術や、高すぎて不満が残るというのはどちらも好ましいものではありません。多くのクリニックではモニター制度なども用意されていますので、価格を抑えたい場合にはこういった枠組みも積極的に活用するなどして、適正価格で満足度の高い施術を受けてくださいね。

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本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

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